kAtoriruixis 時代の神話 肇〜ヒト
初めに、何も無かつた。一羽のトヮノスー鳥 twanosuu が、たゞみづから在らざる者であり、何處にも在らざる者として其處に在つた。 トヮノスー鳥は、卵を産んだ。此の卵は、此も亦、在らざる者であつた。卵に殼は無く、さながらヨードコ yOdoko の樣であつた。 暫くすると、卵の表面が、乾き始めた。乾いた所が、殼と成つて、将に在り始めようとしたので、トヮノスー鳥は、此の殼を、在る前に打碎き、在らざる者とした。此の時、卵の内より、三羽のトヮノスー鳥が、生れ出た。三羽のトヮノスー鳥も亦、在らざる者であつた。
(中略)
三羽の鳥は卵を産む。卵は母達に逆らひ、母達のもとより逃れ、殻を完成させる。
此等は、世界で最初のある物であり、月である。
月は其の母達を殺し、其の身體を大地とした。
最初のトヮノスー鳥は、地をあらざる物に戻す爲に海を造り、三月は、海を乾かすために太陽を置いた。
月は、あらむとする力の源泉である。
人間は、月の血と、土からつくられる。
人間は、「あらんとする」ものである。
最初のトヮノスー鳥による呪ひの爲に、死すべき定めを負ふ。
「トヮノスー鳥」は、別種の北方系の鳥の名に置換すべきか?
今の處、骨だけ
(第二段階は高々数千年しか期間が無く(第三段階は高々数百年~数千年程度だが、現在も進行中である)、極めて短期間であり、第一段階と第三段階の其々と余り見分けが付かない。第一段階と第二段階の民との間にドラスティックな征服関係の変化が無い限り(詰り神話の語り手が劇的に変更していない限り)、創世神話は此所迄ドラスティックに変化しない物と考える。
只私は、カトリルイシスにはドラスティックな征服関係の変化が有ったと見ており(南系民族から北系民族へ)、其の場合出現する動植物群にも、一定の相関は有っても大きく変化する充分な可能性が有る。然し一方第二段階の征服者は、案外と現地の神話体系になじんで仕舞うものとも考える。詰り北系の神話族を面影としながらも、南系の神話族を基底とし、其の上に北系の神話族を構築すると云う風に。
詰り矢張り、トヮノスー鳥の創世神話を此所迄跡形もなく変更する為には、相応の重大な理由が必要である。(此れに反して、第三段階への移行は意識的に行われる事が多く(古事記・日本書紀の「編纂」等)、劇的に変化する場合の方が多い。))
そんな事ないやろ別にええやんけne-sachirou.icon2019/10/15